KSK式マーケティング論②「市場を最適化しよう」
- 2021.08.16
- KSK式ビジネス論

どうもKSKです!
KSK式マーケティング論の時間です。
「顧客は選べ」では、自分に害をなす「理想的じゃない顧客」を切り捨てました。
今あなたには「理想的な顧客」だけ残っているはずです。
次は新たな「理想的な顧客」を得るために、「市場」を探しましょう。
市場の最適化
要は、「大きな池で小さな魚を釣ろうとする」よりも、「小さな池で大きな魚を釣る」方が生産的だということです。
あなたの持っているサービスを必要とし、あなたが提供するサービスで最も大きな利益を得られる顧客の為だけに手を貸すように市場を限定しましょう。
たとえば僕は以前、某大手酒屋で働いていました。
その酒屋はいわゆるトラックでルート配送をするようなものではなく(その部署もあるけど)、ピザーラのように「黒霧島1本持ってきて!」と電話を受けて30分以内に配達するというようなものでした。
このサービスを提供するにあたり、どのような市場を選べばいいでしょうか。
「顧客は選べ」で出てきた「理想的でない顧客」の条件を鑑みて、逆説的に答えを導きます。
さて、上記のようなサービスを提供する上で、「理想的でない顧客」はどんな顧客でしょうか。
①在庫を多く抱えられる、大手チェーン居酒屋や資金が豊富な店舗
②急に在庫が切れる程の繁盛を見せない居酒屋
とりあえず2点はすぐに出せました。
ではここから、逆説的に「理想的な顧客」の条件を考えます。
①在庫を多く抱えられない個人店や、空きスペースのない狭いハコの店
②高い酒を頼む客が来る様な、やや敷居の高い店
こちらもとりあえず2点出しました。(もっと考えればもっとアイデアは出るでしょう)
ということで、「黒霧島1本持ってきて!」と電話を受けて30分以内に配達するというようなサービスの「最適な市場」は、
・個人店
・高級酒を扱う料亭
・キャバクラ
・おばちゃんがやってるようなスナック
となります。
(事実当時、このような顧客が多かったです)
「市場の最適化」をする時は、ここまで細分化して考えましょう。
既存の顧客の共通点からも探す
市場を最適化する際は、既存の顧客の共通点からも探しましょう。
たとえばとあるサービスの顧客が
・8割が女性
・7割が40代
・5割が既婚者
の場合、このサービスの「最適な市場」は「40代の既婚女性」となります。
ここまで絞り込んだ上で、もっと細かく調べます。
家族との関係は良好か、家は持ち家か賃貸か、住んでいる地域はどのあたりなのか、近所や友人たちとの付き合いはどうかetc…
今のご時世、「プライバシーだ!!」と騒がれそうなところまで、頑張って調べましょう。
よく企業から賞品付きアンケートとか出回ってませんか?
アンケートに答えるだけでなにか品物がもらえる。一見非常に効率の悪いことをやっているなと思いがちです。
しかし裏では、「市場の最適化」の1つの段階を踏んでいるわけですね。
やる気溢れる市場を選ぶ
「市場を最適化」する際は、あなた自身のやる気がみなぎる市場を選びましょう。
顧客が1番ではなく、まずは自分自身が熱くなれることが大切です。
それは、あなた自身が仕事を心から楽しまなければ、あなたがその市場にやってあげられること、与えることができる利益は皆無に等しいからです。
ここでは論理的な考えよりも、自分の感性に従うことが大切です。
たとえばあなたがCGを駆使するグラフィックデザイナーで、実家が建設業を営んでいる場合。
論理的に考えれば、ミュージックビデオを作ったりする方がカッコいいし、稼げそうですよね。
でも感性、直感に従って考えると、「家が建設業だし、建築関係のデザインの方が得意だよな」となるわけです。
この場合、間違いなく「建築関係のデザイン」を生業にした方が成功します。
顧客になりそうな人間(潜在的な顧客)が多くいて、業界にも詳しいからです。
論理的に考えて「こうした方がいいよな」というよりも、自分の感性を大事にして「これをやりたい」と考えましょう。
どんなことだって、仕事になる
自分が熱くなれる市場を選び、そこに自分の仕事、サービスを組み込めば、それはあなたの「オリジナル」になります。
オリジナル、つまり競合がいないということ。
競合がいなければ、成功しやすいのは誰でも想像がつきますよね。
「自分のやりたいことと自分のスキルはまったく相容れない」と思っている人は非常に多くいます。
でも、本当にそうでしょうか?
たとえばこういう人がいます。
自分は音楽が好きで趣味も音楽です。でも聴くこと専門で、作曲とかプロデュースはできません。仕事は、パン屋さんで働いていました。
この方、今は「高級パン屋さんのコンサルタント」をしています。特に専門は、「店内BGM」。
立地や周辺地域の住民の属性、顧客の特徴から最も適したジャンルのBGMを選出するんだそうです。
たしかに、たとえば渋谷で夜に屋台のような雰囲気でパンを売る際、クラシックなんか流しても売れませんよね。
若者が多いし時間的にみんなテンションが高い。
「クラブに行く前の腹ごしらえ」というコンセプトで、EDMを流した方が売れそうですよね?
高級パン屋さんであれば、「高級」とつく時点でお客さんは社会的地位の高い、知性のある女性が多そうなイメージです。
そんなところでジャ○ーズや米○玄師を流しても、お客さんにはヒットしなさそうですよね。
クラシック等を流した方が良さそうです。
BGMは「なんの意識もしないのに自分の耳には入ってくる」一種の防ぎようのないもの。
自分にマッチしない=居心地が悪ければ、もう二度と来店しないでしょう。
逆に居心地が良ければ、リピーターになる確率も上がるし、店内にいる時間も長くなるでしょう。
店内にいる時間が長ければ購入単価も上がりますよね?
「音楽」と「パン」という一見まったく異なる分野のサービスが、見事にマッチした好例です。
まとめ
あなたも改めて、「自分自身の得意なことは何か。今のサービスは何か。」を考えて、アイデアを閃きましょう。
このように導き出されたサービス、ビジネスはきっと多くの顧客は存在しません。
だからこそ、「市場の最適化もほぼ同時にできる」のです。
多くの顧客が存在しないと言えど、日本だけで人口は1億人以上。
年商1億円程度まではしっかり稼げます。
最適な「1つの市場」に自分が与えられる最大限の利益を与えたと思ったら、また違う市場を探しましょう。
先ほどのパン屋さんコンサルで言えば、お弁当屋さんやタピオカ屋さんをターゲットにしてもなんとなくうまくいきそうですよね。
さぁ、まずは市場を最適化しましょう。
きっとあなたのビジネスは飛躍します。
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