【四季報の使い方】お宝銘柄はこうやって探せ!
- 2021.10.15
- 株で稼ぐ

どうもKSKです!
今日はKSKが四季報をどうやって使ってお宝銘柄を探しているかを紹介します。
KSKさんの銘柄選定方法ってことだね!
そういうこと。実際に銘柄を探しながら解説するよ!
KSKの株式投資は元ファンドマネージャーの師匠仕込みで、バリュー投資とグロース投資をいい感じに混ぜたような手法です。
まずはスクリーニングする
銘柄選定とは言っても、対象銘柄は国内だけで4000社に上るので、四季報を1ページずつ見ていくのは大変。
というわけで、まずはスクリーニングからします。
KSKの投資対象になるのは、業種は通信、サービスのみ。
そして、小型株のみです。
なので、「小型株」「マザーズ」「通信、サービス」にチェックを入れていきます。
※SBI証券のサービスでスクリーニングしています。
次に、自己資本比率が70%であること。
自己資本比率が低いと、
・ワラント発行等の恐れがある
・新規の融資を引いて事業加速ができなくなる
ということがあるので、自己資本比率は70%以上が好ましいです。
「70%以上」でスクリーニングすると「69%」という誤差もヒットしなくなるので、余裕を持たせて67%としているよ
87銘柄まで絞り込めました。
次に、過去のIPOを検索します。
KSKはIPO後の値動きが落ち着いた上場後3年〜5年の銘柄にしか投資しません。
今は2021年なので、「2018 IPO」などで検索します。
2018年にIPOを行い上場した企業は上画像の通りで、このうち「マザーズ」には4銘柄が上場しました。
この4銘柄が、さきほどスクリーニングして抽出された銘柄群にあるかどうかを確認します。
この要領で、2017年(4年前)、2016年(5年前)に上場した銘柄を探し出します。
2017年上場では、
<3998 すららネット>
<2334 イオレ>
2016年上場では
<3970 イノベーション>
が該当しています。
というわけで、
<3998 すららネット>
<2334 イオレ>
<3970 イノベーション>
の3銘柄まで絞り込めました。
4000社の中からたった3銘柄まで絞り込むんだね!凄い…。
投資対象になるかの条件は人それぞれだと思うけど、効率よく絞っていくのが大事だよ。
ここまでに出たKSKの銘柄選定条件をまとめておきます。
・業種は通信、サービスのみ。
・自己資本比率は70%以上が好ましい
・上場後3年〜5年の銘柄
四季報の出番
さて、ここで四季報の出番です。
長かったね…。笑
KSKの場合は四季報って最後の最後に使うから、別にいらないんだよね。各証券会社で指標や売り上げ推移は見れるからね。
<3998 すららネット>を例に、四季報をどうやって使っていくかを紹介します。
今日は2020年冬の四季報を見て、投資判断を下すよ。
<3998 すららネット>
ここからは、KSKが見るポイントを一覧で解説していきます。
①株主構成
社長が大株主にいるかどうかを見ます。意思決定の早さに直結しますので。
すららネットは筆頭株主に社長がいるので、OKです。
②時価総額
500億円以下がいいですね。
すららネットは367億円なので、OKです。
③キャッシュフロー 状況
営業CF+、投資CF−、財務CF−がいいですね。
すららネットはその並びになっておらず、財務CFが+です。
が、営業CF+、投資CF−、財務CF+は成長企業によく見られる組み合わせなので、特に気になりません。
キャッシュフローについては、【四季報】キャッシュフローの見方【株式投資】も合わせてご確認ください。
④売上高推移
伸びていることが前提ですが、急激に伸びているのもダメです。M&Aの可能性や、何か特定の製品が当たっただけで、「たまたま」の可能性があるからです。
その「たまたま」で次期に売上高が減ったら、株価は落ちますよね。
すららネットは順調に着実に伸びているので、いいでしょう。
⑤営業利益推移
伸びていることが前提ですが、コロナウイルスのような予期せぬ事態に見舞われたら、まぁ仕方ないかなという印象もあります。
すららネットは2018年に比べ2019年が著しく減少しているので、微妙です。
これはその年の決算短信を見て、原因を探る必要があります。
⑥株式指標
PER、PBRが高すぎないこと、ROEがある程度高いことが大事。
すららネットはPERが193倍、PBRが35倍と意味がわからない数字になっていて、ROEは5%と低めです。
↓合わせて確認してね↓
PER(株価収益率)とは?低けりゃいいってもんじゃない【株式投資】
PBR(株価純資産倍率)とは?割安株がわかるわけではない?【株式投資】
ROE(自己資本利益率)とは?株式投資での最重要指標!!【株式投資】
⑦浮動株
低い方がいいです。10%未満が理想です。
すららネットは30%と高いので、イマイチです。
⑧外国株、投信
0%だと値上がり余地があり、最高です。
すららネットは0%ではないですが、これはマスト条件でもないので、「残念」くらいに思っておきましょう。
⑨利益剰余金
マイナスの場合は避けましょう。累積損失と言い、MSワラントの発行リスクが上がります。
すららネットはマイナスではないので、OKです。
2019年の決算での営業利益の減少と財務CFが+なのが気になるので、決算短信を見にいきます。
企業のHPのIRというところにあります。
「営業減益はマーケティングを頑張ったからだよ」という説明があります。
無駄遣いでないのなら、問題ありません。
投資判断としては買いでいいですが、PER、PBRの高さが気になります。
BPSは純資産÷発行済み株式数。
純資産は10億3千万円(総資産×自己資本比率)。
発行済み株式数は6,340,000株なので、BPS(純資産÷発行済み株式数)は162です。
EPSは純利益÷発行済み株式数。
純利益は43,000,000円なので、EPS=6.7円です。
株価1000円で、PBRが6倍、PERが149倍。
株価500円でPBR3倍、PER74倍。
次期の純利益予想は190百万円で、これを元にすると株価500円でPERは16倍。
これくらいの水準なら買っていけます。
というわけで、買っていけるんだけど今は高すぎるので、500円くらいまで下がるのを待ちたい。
という結果になりました。
すごい。こうやって銘柄選定、投資判断をするんだ…。
<2334 イオレ>
残り2銘柄も同じように見ていきます。
①株主構成
社長が大株主にいませんね。会長が大株主ですが、どうだろうな。
②時価総額
約30億円と小さめ。いいですね。
③キャッシュフロー状況
最高の組み合わせです。
④売上高推移
減っています。だめかなぁ。
⑤営業利益推移
減っています。
うん、ダメですね。時間の無駄です。
<3970 イノベーション>
はい次!
次はイノベーションですね。
①株主構成
社長が大株主です。いいね。
②時価総額
時価総額は72億円。いいですね。
③キャッシュフロー状況
いい組み合わせです。
④売上高推移
順調に伸びています。OK。
⑤営業利益推移
18年19年は少なかったですが、20年で大きく伸びています。OK。
⑥株式指標
PER:70倍
PBR:7倍
やや高いですね。ROEは10%と悪くない数字。
⑦浮動株
16%。まぁいいでしょう。
⑧外国株、投信
外国7%、投信3%。うん、まぁ、いいよ。
⑨利益剰余金
潤沢です。OK。
投資判断としては買いでいいですが、やはりPER、PBRの高さが気になります。
PBRは株価÷BPSで求めます。BPSは純資産÷発行済み株式数。
純資産は10億円(総資産×自己資本比率)。
発行済み株式数は2,007,000株なので、BPS(純資産÷発行済み株式数)は500です。
株価が1000円でPBR2倍、2000円で4倍ということになり、現在は買われすぎだということがわかります。
仮に株価が2000円まで落ちたら、
PER=株価÷EPS(純利益÷発行済み株式数)で、41倍。
まだ高すぎるような印象を受けますよね。
1000円だとPER21倍、PBR2倍。やっと買えそうな水準です。
というわけで、買いは買いだけど、1000円くらいまで株価が下げてから買う。という方針がいいでしょう。
結果は?
さて、<3998 すららネット>と<3970 イノベーション>は買って良さそうだけどどっちも高いという判断になりました。
先ほどの四季報は2020年冬のもので、現在は2021年10月。およそ1年が経過しました。
2020年時点で「高い」ということは、株価は下がっているはずです。
<3998 すららネット>
<3970 イノベーション>
すごい、本当に下がってる。。
でしょ?今年の決算とかの数字を見てみないと何も言えないけど、企業自体はいいんだよ。ただ、現状の株価が高すぎるから手は出せないっていう状況かな。株価は必ず本来の価値に戻るからね。見えない力が働くんだよ。
優良銘柄を探すのと実際に儲けるのは違う話なんだね!
そういうこと。本来の価値とかけ離れた、上がっているものに投資することをグロース投資とかモメンタム投資とか言うんだけど、KSKのやり方だと滅多にそういう銘柄には当たらないな。
グロース株の探し方を紹介!効率的にお宝を発掘しよう【株式投資】で、グロース株は高い利率が出て一気に資産を形成できると言っていたけど、KSKさんのやり方だと高い利益は出ないってこと?
20%は出てるかな?50%出たら頑張ったね。まぁ地合いにもよるけどね。師匠は毎年200%とか出してるよ。資金量が違うから、多くの銘柄を買えるよね。ということは、値上がりする銘柄の数が増えるってことになる。その辺はバリュー投資の考え方も入ってるのかもね。
前提として、IPOから3年〜5年経過している銘柄をKSKは好みます。
で、上記のようにファンダメンタルを調べ、優良なものは「監視」します。
各銘柄、「○○円になったら買えるな」というのを覚えておいて、その水準まで下げたらもう一度ファンダメンタル を調べます。
「悪い材料による下げ」なのか、「正しく評価された下げ」なのかを見極めるということです。
悪い材料が出ておらず相変わらず優良銘柄だったら、やっと購入するわけです。
株の価値を見極め、実態とかけ離れたところでは買わないというのはバリュー投資、企業の成長性もしっかり確認するところはグロース投資、イイ感じにミックスされたような手法ですね。
まとめ
最後に僕が四季報で見ているポイントを一覧にしておくね!
- 上場から何年経ったか
- 業種
- 株主構成
- 時価総額
- 自己資本比率
- キャッシュフロー状況
- 売上高推移
- 営業利益推移
- 株式指標
- 浮動株
- 外国株、投信
- 利益剰余金
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